2019年のエネルギー比率、再生可能エネルギーは大きな期待からは期待外れ
画像引用:https://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/shuyoukoku/index.html 主要国の電力事情 - 電力事情について | 電気事業連合会
結局の所電気は足りなかった
フランスのマクロン大統領は2022年2月10日、原子力発電所6基を新設し、必要ならもう8基建設すると発表した。
フランスの原発新設は2007年以来で、反原発派は最近「フランスも原発を縮小し廃止しようとしている」と言っていました。
実際にはフランスは地球温暖化問題を解決できないため、原発新設でCO2を抑え電力を得ることにした。
フランスは電力の77%が原発、自然エネルギーは20%未満でその半分以上は水力発電で得ている。(2017年)
同じ年のドイツは自然エネルギーが33%以上、原発は20%程度で2022年に廃止が決まっていました。
この年のドイツの発電の4割近くは石炭が占めていて、石油火力も15%程度あったので、トータルでは全然地球に優しくなかった。
これを改善する為ドイツは石炭を全廃するが、原発も廃止するため残る手段はロシア産天然ガス輸入しかなくなった。
ロシアはさっそくドイツへの影響力を強め、もしロシアがウクライナに侵攻してもドイツはロシアに加担する可能性がある。
2019年の各国のエネルギー比率を見ると、フランスの原発は77%から70%まで減っていました。
水力は10%で3年前と同じ、再生可能エネルギーは少し増えて10%、天然ガスが7%に増加しました。
世界全体では再生可能エネルギー比率は10.8%、ドイツとイギリスは進んでいて37%くらいです。
福島原発事故から18年が経ったが、再生可能エネルギーは期待したほど普及しなかった。
原発を今の2倍にしても電気が足りない
このペースだと2050年になっても全世界の再生可能エネルギー比率は15%から最大20%でしょう。
人類の人口は増え続けていて1人当たりの消費エネルギーも増えているのに、石炭や火力やガソリン自動車は減らさなくてはならない。
自然エネルギー論者は「他の全てのエネルギーを廃止して自然エネルギーだけで賄える」と言っていたがそれはウソでした。
2050年になっても再生可能エネルギーは最大で今の2倍の20%なので、水力の16%を足しても自然エネルギーは36%しか得られない。
世界全体で原発は5%を占めているが、これを10%に増やすと少しエネルギーを使える。
完全無公害で使えるエネルギーは原発を含めても現在の半分程度、残りの半分はCO2を出す化石燃料を使うしかない。
ガソリンをなくすためにEVが普及するともっと発電量を増やす必要があり、水素自動車や化学燃料でも同じです。
水素や化学燃料の精製に電気が必要だからで、どうやりくりしても「現在の半分」しか無公害のエネルギーは有りません。
仮に原発を増設しても現在の2倍の10%が限界と思われ、世界全体の半分のエネルギーを賄うほどではない。
原発を建設しなくてはもちろん電気が足りないが、今の2倍に増設しても全然足りないのです。