ブリンケン国務長官が林外相を非難しているように見えるが、実際はたまたまこっちを向いただけ
(日経新聞『米国務長官、日韓対立にクギ 両国外相との共同会見で』)
画像引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN131B90T10C22A2000000/ 米国務長官、日韓対立にクギ 両国外相との共同会見で_ 日本経済新聞
想像力豊かな新聞記者たち
2022年2月12日、ハワイで日米韓外相会談が行われ約5年ぶりに3か国協議が行われた。
会談は北朝鮮のミサイル発射の対応を協議するもので、アメリカが要請したとみられる。
3か国が外相レベルの共同声明を出すのは2017年2月以来で、その後レーダー照射や半導体素材輸出制限などがあった。
米国のブリンケン国務長官はオバマ政権の2016年、日米韓の会合で副大統領だったバイデン大統領に同行した。
ブリンケンは再び3か国が協調すれば両国の問題が解決でき、北朝鮮問題にも共同で対処できると話した。
日経新聞では共同記者会見でブリンケンが「3か国が複雑な問題に共同で対処しなくてはならない」とアメリカが日韓対立に釘を刺したと報じた。
同じ日の同じニュースで産経新聞では「アメリカが韓国に踏み絵を迫った」とし、文在寅政権の北朝鮮融和政策にアメリカが注文をつけた事になっている。
ブリンケン国務長官は3か国連携を何度も強調し、文在寅政権に対してどちら側に就くのか圧力をかけたとしている。
実際にはブリンケンは「3か国の協調」と何度も繰り返したが具体的な内容は無く、日経と産経が想像で付け足しただけです。
同じニュースをNHKは「3か国が北朝鮮のミサイル発射に協力して対処する事を確認した」と報じています。
日米韓外相会談では実際には過去の歴史問題など一言も語られなかったし、アメリカが韓国に踏み絵を迫る場面もなかった。
実際にハワイで行われた会談では、北朝鮮のミサイル発射に協力して対処するのを確認しただけです。
日本の新聞記者やテレビアナウンサーは自分の意見を付けたし過ぎて、内容が伝わってこない。
日本メディアは記者個人の感想を混ぜる
やはり同じニュースを読売新聞は「ブリンケン国務長官は日韓の関係改善を主導し3か国の結束を演出した」と報じている。
ロシア軍が明日にもウクライナに侵攻するというタイミングで、同盟国との結束を示したかったという論調でした。
読売の記事でも誰も過去の問題には触れておらず、そんな話題は出なかったようです。
朝日新聞は北朝鮮への対応を3か国で協議したものの、具体的な打開策は出なかったとしている。
朝日は意外にタンパクな記事で、ネット紙面での扱いも小さくあまり関心が無さそうでした。
2月12日の3か国外相会談の前に林外相と鄭外相が40分間の会談をしている。
読売によると林外相は「諸問題は韓国側が責任を持って対応する必要がある」と述べた。
鄭外相は「正しい歴史認識が韓日関係発展の根幹だ」とし、対立したまま進展はなかった。
これらの記事の中で特に不自然だったのは日経新聞の『米国務長官、日韓対立にクギ 両国外相との共同会見で』でした。
記事はアメリカが日本に対して「反省しなさい」と懲らしめるニュアンスで書かれていて、写真でもブリンケン国務長官が鄭外相の側に立って林外相を睨みつけている。
だが別なメディアの写真では3人並んでいて、たまたまブリンケンが林外相の方を向いた場面をトップ画像にしている。
もうこういう印象操作のような手法はやめたらどうか?