欧州でガス価格が高騰
ロシアによるウクライナ侵攻危機などの影響で天然ガス価格が高騰し、欧州では2倍になっている。
ヨーロッパでは天然ガスの指標価格「オランダTTF」が、今月に入って70%値上がりし155ユーロになった
イタリア在住と思われる日本人のツイッターへの投稿では、ガス代が2か月分で13万5000円と書かれていました。
なおこの人の投稿では以前から冬は500ユーロ(6万5000円)だったので、役2倍に値上がりした事になる。
欧米ではセントラルヒーティングの家が多いが、そうした家庭は家じゅうを暖房するので普段でも暖房費用が高い。
別のイタリア在住日本人はセントラルヒーティングで2か月分のガス代が約18万円だと報告していました。
欧州の天然ガス不足は実はおととしの2020年から表面化していて、20年冬は厳冬で天然ガスの在庫を枯渇させた。
通常冬に天然ガスを使っても夏の間に補充され冬を迎えるが、ロシアが供給を絞ったため在庫は増えなかった。
なお日本はロシアからの輸入は10%程度なので、直接の影響は大きくない。
ロシアが供給を絞った理由は政治的駆け引きとされていて、圧力をかけて対ロ経済制裁を解除させようとしている。
実際アメリカが強硬な対ロ制裁を主張するのに対して、欧州はやや弱腰なのが常で、それがウクライナ侵攻を誘発した。
欧州の多くの国が脱石油で石油発電を減らし、石炭発電も減らし原発も減らしたため、残るは天然ガスだけになった。
ロシアに屈すれば欧州は属国になる
太陽光や風力は期待したほど劇的に増えなかったので、欧州各国はエネルギー政策をロシアに依存する事になった。
ここでロシアは勝負に出て今月にもウクライナに侵攻する可能性があると見られている。
もし欧州各国がウクライナ併合を見逃せば、今後欧州各国はロシアの属国のようになるでしょう。
EUは、天然ガス輸入の4割をロシアに頼り、発電所の電力としても利用されているので電気代も上昇している。
さらにエネルギー価格上昇によって輸送代があがり、食料品や日用品価格も上昇している。
イギリスやイタリアは電気料金が2倍以上に値上がりし、イギリスはガス会社の経営破綻が続いている。
ガス料金は契約で決まっている場合、ガス会社が損失を負担するので経営破綻している。
ウクライナは「欧州のパンかご」とも呼ばれ、世界5位の小麦輸出国、ロシアは世界1位の小麦輸出国です。
欧州がウクライナを支援して参戦するとロシアは欧州への小麦輸出を止めるので、さらに打撃を受けます。
ロシアは独裁政権なので国民が飢えてもプーチンは打撃を受けないが、欧州は民主主義なので政府が打撃を受ける。
このようにウクライナ危機はエネルギーと食料を巡って、ロシアが優位に立っているのでプーチンは強気です。