プーチンはドイツがロシア側に就くのを期待したのではないだろうか
ショルツ首相とプーチンはあまり親密そうではない(2月15日 モスクワ)
画像引用:https://www.dw.com/en/ukraine-crisis-we-dont-want-war-in-europe-putin-says-in-talks-with-scholz/a-60785295
ドイツは西側か東側か?
欧米メディアは22年2月15日、ウクライナとの国境に集結したロシア軍の一部が撤退を始めたと報じた。
バイデン米大統領は「ロシア軍部隊は所属基地に帰還していない」とUターンの可能性を示唆した。
三国志の孔明の罠のように撤退するとみせかけて戻ってきて奇襲攻撃という可能性も残されている。
同じ2月15日にロシア下院はロシア側武装勢力が支配するウクライナ東部を、独立国家として承認するようプーチン大統領に要請した。
もしウクライナ東部を国家として承認すると2015年の停戦合意は無効になり、ロシアは国家として支援することができる。
東ウクライナ国は形だけ住民投票や国会決議をし、ロシアに救援を要請してロシア軍に進駐してもらう。
その後また住民投票をしてロシアに併合するというのはクリミア半島併合で一度行った事でした。
住民投票は日本で一時流行ったが、民主主義がない状況下の住民投票は、ただの恐怖政治になります。
旧ソ連が共産圏を拡大した時の手法で、最初に軍隊が占領するか支配下に置き、監視下で投票させ「自発的に」ソ連圏に組み込んだ。
ロシアがウクライナ東部武装勢力を国家承認すれば西側諸国とさらに対立し、制裁が強化される可能性が高い。
現在ロシアは天然ガスパイプラインで欧州にガスを売り、地下資源で儲けているが、最大の顧客を失う。
ドイツが資源欲しさに裏切る可能性はあるが、なんとかして代替エネルギーを確保するでしょう。
欧米が支援するとロシア軍に勝ち目はない
プーチンのシナリオは、欧州はロシアにエネルギーを握られているので、ウクライナ併合を黙認する筈だというものだった筈です。
だが欧州諸国はプーチンの予想より強い反発を見せ、今の所ドイツは「ロシア陣営」に寝返っていない。
ドイツのショルツ首相は2月15日にモスクワを訪問しプーチンと会談、ロシア側は部隊の一部撤退を表明した。
プーチンは、ロシアからドイツに天然ガスを運ぶ「ノルドストリーム2」は純粋に商業的なプロジェクトで政治的な意味はないなどと話した。
もしロシア軍がウクライナに侵攻すると欧米はウクライナを支援し、直接戦わないまでも戦争状態になる。
パイプラインは万里の長城のように、無用の長物となりロシアの収入源はさらに先細りする。
それにロシアの経済力は今や韓国やイタリア以下であり、かつてのアフガン侵攻の時より弱くなっている。
アフガン侵攻は1978年から1989年までつづいたが、最初ソ連は数か月で勝利すると考えていたが10年後に敗戦した。
時を超えてアメリカも2001年に”アフガン侵攻”したが、やはり2021年に撤退し敗戦している。
ましてウクライナは欧米が公然と支援するNATOの準加盟国であり、実際にはロシアに勝ち目はない。
冷静に考えればわかる筈だが、プーチンは認知症だとも言われていて冷静な判断ができるのか疑わしい