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中国の労働環境、改善されているが不満は高まっている

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996は違法だがなくなっていない
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画像引用:https://thebridge.jp/2019/04/china-state-996-illegal 中国の国営メディア、テック業界の長時間労働慣習「996工作制」が違法だと強く非難 _ BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報

夢が叶わない世代

先日中国のインターネット上で、深セン工場労働者の過酷な労働実態が投稿され話題になっていました。

網易新聞によると青年は36歳独身で、深センの電子工場で月給6500元(11万7000円)で働いているが疲労を訴えている。

12時間シフト2ヶ月毎日夜勤で、寮で寝ていると上司がやってきて「なぜ仕事に行かないのか」と聞いた。


「腰が痛く、体全体の調子が悪く、力が全然入らず歯も痛くて・・」と答えたが、最近食事も出来ず水も飲めず口が痛いという。

青年は夜の仕事に耐えられる人はどれくらいいるのでしょうか。すべての工場で夜勤を廃止するべきではないかと訴えている。

男性は月収約12万円で年収だと約140万円、中国ではむしろ高収入な方ですが労働が非常につらいという。
中国では労働の過酷さを996という数字で語ることが多いが、政府が決めた労働法からきている。

労働法では1日8時間労働で週44時間、残業が1日3時間までで月36時間を超えてはならないとされている。

「996工作制」は午前9時から午後9時までの12時間労働を週6日続ける労働体系で、週72時間労働なので違反しています。
2000年代にはもっと過酷な「8117」があり、朝8時から夜11時まで週7日、週105時間という求人が堂々となされていた。

しかし労働者は「働けば働くほど稼げる」というよくある謳い文句に魅力を感じ、当時としては高給で受け入れた。

996問題が顕在化したのは2016年ごろで、IT企業労働者がネット上で過酷な労働環境への反対を表明した。

人権意識の高まりと成長限界

興味深いのはかつてはもっと酷かった労働環境が、少しづつ改善されていた時期に996問題が自覚された。

2000年台の中国には工場労働者は多かったが彼らは不平不満を言わず、どんな環境でもそれが当たり前だと思って働いた。

だが2010年代になると中国でもIT企業やネット企業、ハイテク企業が続々と誕生し、高収入の技術者が大量に生まれた。
IT技術者は許可さえ出ればグーグルやアップルで働くこともでき、ネットで海外企業の待遇を知る事も出来た。

IT企業労働者は不満を口に出しネットに投稿し、待遇を改善するべきだと言い始めた。

すると一般労働者も「自分たちの環境は劣悪なのだ」と自覚し、996問題が顕在化した。
中国は北京五輪後に高度成長が終わり、成長率は一桁になり、さらに5%も割り込んでいる。

どう考えても今後年5%以上給料は上がらず、物価上昇率は年2%程度なので実質賃金の大きな伸びは期待できない。

絶望世代とも呼ぶべき世代が中国でも生まれていて、将来を悲観した「ねそべり族」が増えている

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