ウォンの基軸通貨入りが近い?
韓国では現在、ウォンの基軸通貨入りをめぐって大統領選も絡んでちょっとした議論になっています。
日本で基軸通貨と言えば唯一の基軸通貨を意味し、現在のドルやかつての大英帝国ポンド「だけ」を指します。
それとは少し違いIMFの通貨バスケットに入ることを、彼らは基軸通貨入りと呼んでいる。
SDRは加盟国が外貨不足に陥った際、アメリカ・ドルなどの国際通貨を引き出せる権利のことで、自国がIMFに出資した金額を、引き出し権を他国に売ることで外貨と交換できる。
韓国はIMF出資額16位で1.9%なので、それと同額のドルなどを引き出すことができる。
現在のSDRバスケットはドル、ユーロ、元、円、ポンドで構成され、マルク・フランが抜けユーロができた時に人民元が加わった。
現在の割合はドルが41.7%、ユーロが30.9%、元が10.9%、円が8.3%、ポンドが8.1%。
全経連はウォンが採用されると言っているのだが、国内でも荒唐無稽ではないかと批判されている。
5つのSDRはGDP上位5カ国の通貨で、米国、中国、日本、ドイツ、英国の通貨が採用されている。
韓国のGDPは世界10位でポンドのイギリスとは1.7倍、円の日本とは2.5倍の差がある。
その上急成長のインドが上にいて、将来インドがイギリスを抜く可能性がかなり高い。
こうして見ると彼らの悲願が叶う可能性は小さく、インドルピーが先に採用されるでしょう。
ウォンがSDR入りすると無限に借金できる?
それはともかく数年前に中国は人民元をドルに変わる国際通貨にすると宣言し、SDRになったときは鼻息が荒かった。
当時人民元の国際決済比率は3%に達したと喜んだが、実は今も3%でまったく延びていない。
同じく3%弱の日本円を抜いたが、日本円も当時と同水準で、抜いたり抜かれたりしている。
最近人民元の国際決済が増えたが、それはロシア危機でロシアがドルを使えなくなったので人民元を使っているからです。
人民元が覇権通貨になる気配はなく円は相変わらず低空飛行、ドルは40%で最大だがユーロが36%に迫っています。
大統領選に出馬している韓国与党「共に民主党」の李在明候補がテレビ討論で「間もなく基軸通貨国になる可能性が極めて高い」と発言し、基軸通貨が選挙のテーマになった。
ネット上でははSDRに入れば「無限に借金して返さなくて良い」「お金は発行すれば無限に増える」ような事を口にしている。
実際にそうやりかねないので、ウォンが基軸通貨になったら大混乱するかも知れません