弱い国は最初から無かった事にされ、強さを証明した者だけが救済して貰える
ロシアが勝ったら次の標的は極東
1991年までの米ソ冷戦時代、世界には東側陣営と西側陣営が存在し、両者はあらゆる事で競い合い対立していた。
だがソ連や共産圏が崩壊すると東側陣営がまず消滅し、ほぼ同時に西側陣営も胡散霧消しました。
それを最初に思い知らされたのは日本で、1990年8月2日にイラクがクウェート侵攻しアメリカは民主主義諸国に参戦を呼びかけた。
ここで重要なのは相手はソ連や東側陣営ではなかった事で、したがって西側陣営としての対処はなかった。
クウェートに侵攻したのはイラクのサダムフセインが指導する独裁国家で、このパターンはその後30年間繰り返されている。
求められたのは「民主主義陣営」で、自らの信念としてクウェートに自由をもたらすため行動するのが求められた。
冷戦の西側陣営のときは実際に戦うのはアメリカだけで、他のほとんどの国はアメリカ軍を受け入れて見返りを貰っていた。
冷戦時代はアメリカ親分だけが戦っていて、子分共は親分の後ろに隠れて飯をおごってもらうだけの関係でした。
冷戦以降は自らの意思で自腹を切って戦う事になったが、これにまったく気づかなかった国が日本でした。
今回のウクライナは地球の反対側だがロシアの反対側、ソ連やロシアは西と東に交互に攻め込んで領土を拡大してきた。
ウクライナ攻略に成功したロシアは次に極東で領土拡大や支配権を強化するのは、歴史を学んでなくても分かる。
日本にとってウクライナが負けてロシア領になれば、次は千島列島や北方領土の軍備を強化し日本に矛先を向けます。
欧米が救済に乗り出したのは、ウクライナが強かったから
英独仏を始めとした欧州各国は冷戦終了にいち早く気づき、EUを結成して自国の権益確保を進め成功した。
冷戦時代の欧州は人口マイナスで経済もマイナス、「欧州は世界の落ちこぼれ」と言われて日本からも見下されていました。
経済的に成功した欧州だったが安全保障では後退を続け、NATOは崩壊の危機に瀕していた。
ソ連という戦う相手を失ったNATOは空中分解し始め、イスラム国家や宗教勢力との戦いではうまく機能しませんでした。
トランプ大統領はNATO加盟国を敵国のように扱ったため、英独仏はNATOから離脱するのではないかと言われました。
例えばトルコはロシアと対立し、2016年にイスラム武装勢力がトルコに潜んでいるという理由で、勝手にトルコ領内を空爆していました。
トルコ軍F16はロシア軍戦闘機を迎撃したが、NATOは関わりたくない為「トルコがロシアの戦闘機を撃墜したので参戦義務はない」と言った。
NATO規約では加盟国が侵略されたら参戦義務があるが、トルコ領内のロシア軍機をトルコが撃墜したのでトルコが悪いなどと言っていた。
たぶん核ミサイルを搭載したロシア軍機がロンドン上空を飛んでも、イギリス空軍は「大丈夫だ。問題ない」と言うのでしょう
トルコはNATO加盟国だが捨てられた格好になり、そこに今回のロシアによるウクライナ侵攻が発生した。
ウクライナはNATOに加盟を申請しているが正式な加盟国ではなかったので、米英独仏は「ウクライナ?そんな国あったっけ」のような態度を取った。
NATOはウクライナがロシアに併合されるのを既成事実とし、遺憾の意表明や多少の経済制裁で黙認するつもりでした。
だがウクライナ軍が予想外に粘ったため世論の風向きが変わり、一転して「我々がウクライナを守る」などと言いだした。
これが国際社会であり弱い者は最初から存在しない事にされ、強さを証明できた者だけが救済して貰える。
だからウクライナは相当な犠牲を出しても戦う意味があり、もしウクライナ人が「無条件降伏」をしていたら、最初からウクライナ人はいなかったなどと欧米は言います。