ロシア軍が敗走すると、追いかけるウクライナ軍がモスクワに到達するのは不可能ではない
画像引用:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/030101355/ 図説:ウクライナ独立から30年、ロシアによる圧力の歴史 _ ナショナルジオグラフィック日本版サイト
ウクライナの大勝利に警戒する欧米
ロシアによるウクライナ侵攻は侵攻1か月以上が経った3月末、事実上の決着がつきロシアは手じまいを模索している。
侵攻初日のロシアは早ければ初日、遅くとも1週間程度でキエフを占領し、ウクライナが降伏すると考えていました。
1か月後の現在ロシア軍は東部を除いて戦線維持が困難になり、東部でも都市を遠巻きに砲撃しているだけになっている。
1か月で兵士や装備の1割を失い、推定で1万5000人がなくなったが、この数字は驚くことに旧ソ連がアフガン侵攻で10年間に失った人数と同じだった。
両国と交流があるトルコで3月29日に停戦交渉が行われ、戦線を維持できていないロシアはどの道撤退するしかなくなっている。
あくまで侵攻を継続すればもっと決定的な敗北を喫して総崩れになり、停戦で撤退するとそれよりマシな格好を繕える。
ウクライナが優勢になるにつれて欧米の態度は微妙になり、「攻撃的兵器は支援しない」姿勢を強めている。
通常陸続きの隣接した国が侵攻してきて、大敗北を喫して引き上げると、攻められていた国が逆に相手を侵攻する。
戦争には勢いがあり攻めている時は勢いがあるが、それが劣勢になり撤退するともう烏合の衆と同じになります。
兵たちは先を争って逃げ始め統率が取れなくなり、追いかけている少数の軍隊の方が優勢になります。
古くは源平合戦で逃げ始めた平氏が総崩れし、追いかけた源義経軍は地の果てまで追いかけて散々に打ち破った。
つまりロシア軍が崩壊して本国に逃げ始め、ウクライナ軍が追いかけるとモスクワまで侵入する恐れがある。
ウクライナ軍がロシアに突入すれば核使用ありえる
通常ならあり得ないがロシア国内ではプーチン政権への不満が渦巻いていて、ロシア国内で反乱が起きる可能性もあります。
ウクライナはゼレンスキー大統領だが、彼がウクライナ軍の隅々まで掌握しているとは考えにくく、ロシア軍を追いかけ始めたら止まらないかもしれない。
プーチン大統領は「ロシア存亡の脅威あれば核兵器使用ありえる」と話しており、ウクライナ軍が越境しモスクワに迫れば条件を満たす。
ロシアが核兵器を保有していなければウクライナがロシアを亡ぼしても良いが、ワシントンやロンドンに核を撃ち込まれては困る。
あるいはウクライナで核を使用されても、欧米は本格的にロシアとの核戦争を覚悟しなくてはならなくなる。
核兵器にはひとつ問題があり、ウクライナのような分散した戦場では敵の軍隊にはほとんど打撃を与えられず、それでロシアが勝つことは無い。
民間人がなくなるだけでロシアにとって戦況はまったく改善せず、それどころか欧米の本格介入でより一層不利になります。
ロシアが核を使用した時中国がどう出るかですが、間違っても「盟友ロシアを助けよう」などと思いません。
それが秦の始皇帝以来の中国の原則であり、ソ連が崩壊した時も中国は助けたりしませんでした。
中ロ連合軍が欧米連合軍と対決する事は起きないが、ロシア崩壊の過程で核兵器を使用する可能性がゼロではない