ロシア人は政府の失策による混乱にも慣れてしまい、不満に思っても特になにもしない
画像引用:https://www.fuw.ch/article/was-der-ukrainekrieg-fuer-krypto-bedeutet Was der Ukrainekrieg für Krypto bedeutet _ Märkte Devisen _ Finanz und Wirtschaft
経済小国が軍事大国という矛盾
ウクライナに侵攻する前のロシア人の1人当たりGDPは約1万1000ドルで中国と同じ、国民の平均年収もほぼそのくらいでした。
労働者の年収は今や中国都市部より低く、中国の都市部労働者の年収は今は100万円以上とされています。
2018年頃のモスクワの平均月収は約8万円、地方では5万円ほどで僻地では3万円程度の地域もあるようです。
モスクワ在住の日本人が知り合いのロシア人に収入を聞いてブログに書いていたのは、月給7万円から10万円というところでした。
モスクワはロシアの中では飛びぬけて高収入で、他の平均はまず半分と考えて間違いなさそうです。
ロシアは地下資源でも儲かっているが資源産業は中国の工場と違い大量の労働者を必要とせず、一部の富裕層が独占している。
ロシアの1人当たり生産高(GDP)ではネネツ自治管区の1,225万円、イングーシ共和国は20万円でした。
ネネツ自治管区は人口4万人で油田の採掘に従事する人が住み、富裕層も多いらしいです。
イングーシ共和国は西方のグルジア国境に47万人が住み、ロシア人ではなくイスラム教徒のイングーシ人が住んでいる。
皮肉な事に欧米のロシア産エネルギー制限でエネルギー価格が高騰し、ロシアの貿易黒字は史上最高になる予想です。
ロシアはある日西側資本主義国の金融システムから排除され、ソ連時代の孤立経済に戻ってしまった。
2月以降ほとんどの先進国企業がロシアから撤退し、年末までに200万人失業者が増えると予想されている。
ロシア人は圧政や貧困に慣れてしまっている
例えば撤退したマクドナルドだけで6万人、ルノーは4万5000人、イケアは1万5000人雇用していたが全員解雇された。
エネルギー輸出で貿易では儲かっているものの、国内で失業者が増え経済活動が縮小したので、先行きは暗い。
IMFなどの予想ではロシアの成長率は22年にマイナス10%だが、通貨のルーブルは意外に持ちこたえている。
ルーブルは一時半額になったが今は侵攻前の水準に戻り、経済崩壊や通貨崩壊を逃れている。
ルーブルが持ちこたえた理由は年20兆円にも達する貿易黒字で、エネルギー代金の外貨でルーブルを買い支えできる。
まだ凍結されていない外貨もあるし、エネルギー代金をルーブルで払うよう要求したり、あの手この手で買い支えました。
モスクワでは侵攻直後のパニックを過ぎ、自給率100%以上のエネルギーと食料不足は解消しつつある。
制裁されたVISAやマスターカードは実際にはロシア国内で使用でき、外国製の商品は少なくなったが商品が何もないような状況でもない。
ロシア人はソ連時代からこの手の困窮に慣れていて、また貧しくなったというように受け取っている。
政府に不満を言うと逮捕されたりシベリア送りになるので、不満を持ちながらも貧困や混乱を我慢し日々を送っている。
この国では民主主義のために人々が一斉蜂起し、政府を倒すような事は起きないでしょう