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ロシアはウクライナ侵攻で、大国化を目指して小国になる

プーチンはロシアの大国化を目指したが、より小国になるのは確定している
RTY
画像引用:https://www.atlanticcouncil.org/blogs/ukrainealert/putin-admits-ukraine-invasion-is-an-imperial-war-to-return-russian-land/

次々に予想外の事が起きた3か月

ロシアによるウクライナ侵攻から3か月半が経ったが、ロシアは当初描いていたプランを実現できず、ウクライナにとっても予想と大きく違っていた。

戦争は双方が相手のプランを邪魔するので、最初の計画通りに進まないというのがウクライナを見ると良く分かります。

ロシア側にとってウクライナ侵攻は何度も演習でシミュレーションし、欧米が強く反発しないのも確認し、慎重に開戦に踏み切りました。

ロシアはベラルーシやウクライナ国境近くで何度も演習をし、直前には10万人規模の演習で侵攻の予告までしていました。


欧米の反応は非常に鈍く、特にドイツはロシアへの経済制裁や禁輸など「もっての他」、ロシアを挑発したウクライナが悪いとまで言っていました。

アメリカは反発しながらもロシアとの戦争のリスクを避けるのを重視し、バイデン大統領は「ロシアが侵攻しても絶対に米軍を派兵しない」と連呼しました。

侵攻数日前にプーチン大統領が侵攻宣言しても米独の姿勢を同じで、これでプーチンは「欧米の介入は無い」と確信したから侵攻しました。
もし2月20日頃のプーチン演説にNATOが猛反発し、「我々がウクライナを守る」と言っていたら、最後にロシアは開戦を踏みとどまりました。

こうして見るとプーチンは慎重にリスクを推し量った上で開戦に踏み切っていて、何度も欧米にチャンスを与えていました。

ウクライナにとってもこれは誤算だった筈で、欧米が猛反発しロシアが思いとどまるのがゼレンスキーの最良シナリオだった筈でした。
ところが「ウクライナに侵攻する」とプーチンが宣言したらドイツは「良いですよどうぞ」と言い、アメリカは「手出しをしないので好きなように侵攻してください」と言ったのでした。

侵攻直後にウクライナ軍の善戦でロシア軍が防止されたのはドイツにとって大誤断だった筈で、数日で侵攻されて地図から消えるのを予想していました。

24時間で消滅する筈のウクライナが生き残ってドイツ批判を始め、非難の矛先がドイツに向いたので、慌ててウクライナ援助を始めました。

大国化目指して小国になるロシア

日本では考えられない事ですが欧州では右派・保守がプーチンやロシア、中国を支持し、左派勢力がロシアのウクライナ侵攻を批判しています。

先日フランス大統領選で中道左派のマクロンに負けたのは極右の女党首で、ロシアとプーチンを支持しウクライナ侵攻を容認していました。

ドイツも同じでメルケルや現政権は中道保守なので親ロシア、ウクライナ侵攻容認の姿勢で、左派の緑の党などが反ロシアでした。
メルケルと現ショルツ首相はメルケル時代の親ロシア政策を批判されていて、先日の地方選挙では緑の党にまで負けて政権危機になっています。

するとショルツ首相は「我が国はロシアを容認しない」「ロシアを打ち負かすまで戦争は終わらない」と急に逆の事を言い始めた。

6月前半の現時点ではロシアが勝つかウクライナが勝つか分からないが、ひとつはっきりしているのはウクライナ侵攻後のロシアは侵攻前より貧しくなります。
ロシアには資源輸出収入があるが年間30兆円ほどに過ぎず、欧米日先進国から投資や貿易、サービスなどが重要な位置を占めていました。

例えばロシアは金融制裁によってたった数百億円分のドルを用意できず、外貨建てロシア国債が不渡りになっていました。

今後ロシアは先進国の銀行からお金を借りたり、外資が進出して投資したり、マイクロソフトやグーグルやインテルのサービスを利用できなくなります。
これがロシアにとっての最大の誤算で、たとえウクライナの一部や全てを占領出来たとしても、ロシア経済は長期的に最盛期の半分になるでしょう。

合理的に考えればロシアは今すぐ撤退してプーチンを逮捕し、プーチン1人に責任を負わせることで国際社会に復帰できます。

でもロシアは全権力をプーチン1人が握っていて、プーチンは今や自分の権力を守るためにウクライナ侵攻をしています。
あの手の独裁者が一度始めた戦争を中止して失敗を認めたら、ほぼ確実に国民によって拘束され罰を受けるからです。

プーチンは大国化を目指してウクライナに侵攻したが、結果がどうなろうとロシアの小国化だけは約束されました。

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