G7のうち独仏伊は対ロ制裁から抜けたがっている
画像引用:https://japan.kantei.go.jp/101_kishida/actions/202203/_00011.html
親ロ発言目立つ3か国
最近BBCニュースはウクライナ侵攻に対抗する西側陣営の結束がゆるみ、特に独仏伊の3か国が妥協したがっていると報じた。
フランスのマクロン大統領は5月初め「停戦の為にはロシアに屈辱を与えたり報復してはならない」と発言し、ゼレンスキーが反発していました。
これは要するに「ウクライナは負けるべきだ」という事で、東部や南部をロシアに割譲して停戦するべきだと言っています。
ロシアに屈辱を与えるとは国境の向こう側にロシア軍を追い返すのを意味し、その場合100%ロシアの敗北になります。
マクロン発言の翌日にイタリアのマリオ・ドラギ首相はアメリカで「欧州は停戦を望んでいる」という発言をし、早期に停戦するべきだと話した。
今すぐ停戦するには今ロシア軍が占領しているウクライナの領土を割譲すると言う事で、ウクライナにとっては100%の敗北を意味する。
ドイツのショルツ首相は5月28日にマクロンと電話会談し、ロシアと停戦してウクライナの食糧を港湾から輸出できるようにするべきだと意見が一致した。
この3人は一見平和を望んでいるように見えるが、実際に彼らが欲しがっているのは「ロシア産エネルギー」と「ウクライナ産穀物」だと言われている。
侵攻前に欧州の全エネルギーの4割と同等の食料をロシア、ウクライナから輸入していて、戦争が長引けば欧州はエネルギー。食糧危機に陥る。
経済的にも大打撃を受けるだろうし、代わりにどこかから輸入できるとしても、欧州が買い付ける事で貧困国は食糧不足になるでしょう。
EUの人口は4億人を超えているが、その食料とエネルギーの半分近くを情勢不安定だった2国に依存していたのに驚かされます。
欧州としてはロシアを野放しにしたらヒトラーの再来になり、かと言ってロシアと戦う度胸もないので、「そうだウクライナを犠牲にすれば良い」という発想です
独仏伊は裏切りたがっている
ウクライナの3分の1ほどをロシアに割譲すればプーチンの面目が立って満足し、ウクライナにも半分以上が残るので、きっとマクロンは良いアイディアだと思っている。
第二次大戦で侵攻したドイツに領土を割譲して許してもらうような話で、実際フランスは過去に何度もそのような事をしている。
ウクライナ侵攻に当初最も反発していたのはフランスで、西側諸国が結束してロシアに対抗するべきだと主張していました。
ドイツは侵攻前からずっと「親ロ派」で、ウクライナに非があると公然と言い、閣僚や軍人がロシアを擁護していました。
その後先進国の世論が反ロシアに傾くとドイツはウクライナに兵器の提供などをしたが、それがドイツ人の本心とは思えません。
ドイツはメルケル時代にエネルギーのロシア依存を強めたため、ロシアとの戦争を一日も続けて欲しくないと考えている。
もし今日ウクライナが領土を放棄して停戦すれば、ドイツはロシアからのエネルギー輸入を続けることができ、ウクライナ産の穀物も輸入できるからです。
イタリアの言い分も独仏と同じで、要するに「ウクライナが犠牲になれば俺は安泰だ」という事です。
こうしたG7親ロ勢力に反発しているのがイギリスで、「ロシアをウクライナから追い出さなくてはならない」と言っています。
イギリスは島国なのでロシアやウクライナからのパイプラインは無く、打撃を受けているものの独仏伊より影響が小さいのかも知れません。
アメリカのバイデン大統領は先日「(領土をロシアに割譲するかどうかは)ウクライナが決める事だ」と割譲容認と受け取れる発言をした。
日本では反ロシア親ウクライナが支持されているが、左翼を中心に再び「ウクライナが抵抗しているので戦争が終わらない。ウクライナが悪い」という主張を展開している。
このように先進国の中には「ウクライナ?滅べばいいんじゃない」と考える人が居て、ロシアと取引すれば以前の平和に戻ると思っている。
だがロシアと妥協するのはヒトラーにパリをプレゼントするようなもので、次はロンドンと全欧州、次はニューヨークを要求してきます