中国鉄路は累積債務120兆円だが、これには鉄道建設費を含まない
建設は地方政府などが金を出しているからです
画像引用:https://novac.jutarnji.hr/novac/novi-svijet/video-prvi-superbrzi-pametni-vlak-na-svijetu-vozi-sam-brzinom-350-kmh-a-ima-i-5g-signal-9818173
黒字路線はゼロ
日本の新幹線はコロナ前、開業した全路線が黒字で赤字は北陸・北海道などまだ路線が完成していない区間だけでした。
中国では事情が違い総路線4万キロのうち黒字路線は一つもなく、過去に黒字化した路線も存在しませんでした。
中国鉄路は北京上海線が黒字だと説明しているが、同社の経営には建設費が含まれておらず、列車運行費用だけで計算しています。
北京上海線以外の高速鉄道は建設費を除いても赤字という事なので、いかに酷い経営状況かが分かります。
各種ニュースによると最初安かった中国の鉄道建設費は、コスト上昇や難易度の高い山岳地が増えたなどの理由で、日本と大きく変わらなくなった。
中国は年3000キロの高速鉄道建設を行っていて、1キロあたり25億円以上かかってます。(2007年から2021年に4万キロ以上が開業した)
新幹線以外の在来線と地下鉄も同じように建設していて、10年前の国有鉄道時代は年50兆円の建設費を使っていました。
批判が強まり鉄道部は廃止され中国鉄路総公司、さらに国家鉄路集団になったが建造ペースは減速しませんでした。
2021年に中国政府は「採算性のない新規建設を許可しない」と発表したが、実際には以前にもまして建設を加速する。
国家鉄路集団は21年に2168キロ開業し、25年に5万キロ、35年に7万キロに延伸し21年比で1.7倍にする計画を発表している。
中国政府は21年に新線建設の3つの基準を示し、高速鉄道建設をストップさせようとしました。
条件は省都か大都市を通過、年間利用者数2500万人以上、中長距離利用者が7割以上の3つです。
鉄道建設費債務は数百兆円になっている
既存高速鉄道の平均年間利用者は2000万人に達しておらず、大都市ほど早く建設したので今後の路線はほとんど不可能と考えられた。
中距離利用者が7割も厳しいし、省都や大都市を通る路線は既に開通していて新規路線では少ない。
だがどういうカラクリなのか国家鉄路集団は以前と何の変りも無く、来年も2500キロ以上の新線を建設する。
北京交通大の趙堅教授は「1キロ延伸に1億2000万から1億3000万元かかる(20億から26億円超)」と試算している
数年前に日本と中国がインドネシアの高速鉄道受注で争い、中国が「ゼロ円」で落札したのを覚えている人も居ると思います。
中国では高速鉄道の建設費は無料のように説明されていて、都市開発や分譲住宅販売で利益が出るので、建設費がかからないのように言っています。
実際には各地方政府や恒大のような開発業者が社債や地方債、理財商品のような形で投資を集め、高利回りの借金で建設しています。
中国の成長率が15%もあった時代は本当に無料だったが、今の成長率は4%台なので一般的な社債や理財商品の金利よりも低い。
すると投資した資金の回収は不可能なので恒大のような大手開発会社が経営破綻しています。
都市開発し不動産を分譲して利益を得るのは不動産価格が上昇する前提なので、不動産が下落し売れ残ったら資金を回収できなくなります。
鉄路集団は2022年現在の累積債務を120兆円と発表したが、恐ろしい事にこれには鉄道建設費が含まれていません