ウクライナ軍が破壊したノヴァ・カホフカの橋
画像引用:https://fakty.com.ua/ua/proisshestvija/20220810-yak-vyglyadaye-mist-bilya-kahovskoyi-ges-pislya-raketnyh-udariv-zsu/
ドニエプル川の攻防
ウクライナ南部の戦況で、ウクライナ軍が苦戦しているという情報と前進しているという情報が錯そうしています。
ワシントン・ポストは8月14日、ロシアが制圧したウクライナ南部ヘルソン州で、ウクライナ軍の奪還作戦が失速していると報じた。
ウクライナ軍関係者は現状では兵器が足りず全面的な反撃は不可能とし、欧米の追加軍事支援が必要だと述べた。
10月になると地面がぬかるみ部隊の移動が困難になるため、ウクライナ軍の奪還作戦は時間との戦いになっているとワシントンポストは報じている。
ウクライナ軍はヘルソン州でロシア軍後方にある橋をハイマースなどで攻撃し、通行不能にするなど戦果を上げてきた。
だがロシア軍も部隊を増強し1週間で約3000人が到着、ドニエプル川西岸のロシア兵は少なくとも1万5000人になった。
英国防省によるとウクライナ軍が南部でロシアの補給路に当たるドニエプル川の橋を次々破壊している。
ウクライナ軍は最後の1つの橋を12日に破壊し、ロシア軍は渡し船などで補給を続けているが、英軍は「重要な弱点であり続ける」と指摘した。
ロイター通信によると、ウクライナ軍広報担当者は12日、南部にあるロシア軍の補給路はほぼ全て攻撃可能だとも語っていた。
一方ロシア国防省は13日、東部ドネツクの中心にほど近いピスキー村を完全に制圧したと発表した。
ヘルソン市からサボリージャ原発へドニエプル川が流れていて、ロシア軍は川の西側(北側)に1万5000人ほど展開している。
その中間に位置するのがノヴァ・カホフカダムで、ダムには大きな橋が架かっているが、ウクライナ軍は「完全に使用できなくした」と言っています。
ロシア軍は増強も補給路切断
ヘルソン市郊外のアントニフスキー橋もウクライナ軍が破壊し、先週にはヘルソン近くの主要な鉄道橋も破壊された。
英軍によるとロシア軍は7月末から、鉄道橋の近くで浮橋を設置し、ドニプロ川西側のロシア兵は僅か2つの浮橋からの補給に頼っている。
ロシア軍は破壊された橋に場当たり的な修復をしているが、とりあえず通れるだけで構造的に壊れたままになっているという。
複数の軍事アナリストは、ドニエプル川西側のロシア軍は他の占領軍から切り離され孤立する恐れがあると指摘している。
ウクライナ軍は橋の破壊によって各地のロシア軍部隊を孤立させ、ヘルソン州を奪還しようとしているが抵抗を受けている。
こうしてウクライナ軍は前進しているという情報と停滞しているという相反する報道が交錯しています。
ウクライナ軍は欧米からの軍事支援を受けて新たな兵器を獲得しヘルソン州を奪還しようとしているが、同時にその兵器は十分ではない。
英国のウォレス国防相は8月14日、22年10月までに兵士計1万人の訓練を想定していたが、訓練人数を増やすと発言した。
また西側諸国の「支援疲れ」について、半年前は兵器の提供や訓練をするかどうか議論していたが、現在は戦闘機やハイマースを何機提供するか議論していると語った。