エネルギー高騰を無難に乗り切った日本だが
無関係だと思えるような事が実はつながっている場合があるが、最近の出来事の多くはエネルギー価格でつながっています
ニューヨーク州知事は22年9月29日、2035年までにHVを含むガソリン車販売を禁止する方針を打ち出し、日本メーカーに衝撃を与えている
先日カリフォルニア州がガソリン車禁止を発表したのに次ぐもので、今後各州で同様の規制が行われる可能性が高い
日本の岸田首相は同じ9月29日、来年電気料金が2割以上値上がりする可能性があるとして、電気代高騰を緩和する制度の創設を表明しました
9月27日と28日にはロシアから欧州に天然ガスを輸送するパイプライン「ノルドストリーム」が相次いで破損し、ロシア軍の破壊工作とみられている
イタリアでは9月25の総選挙でウクライナ支援見直しやロシア支持を表明していた極右政党が大勝し、今後が危惧されています
これらはすべてエネルギー価格で繋がっていて、イタリア極右は電気料金を下げるためにロシアを支持するべきだと訴えていました
マクロンが勝ったフランス総選挙でも「ロシアが勝てば電気料金が下がるからロシアと手を組もう」と訴えてかなりの支持を得ていました
ドイツのショルツ首相はプーチンと友人だと公言し、今も電話する仲だと何度も発言していました
ロシアとしてはエネルギー危機を拡大させるほどロシア支持が増えるので、パイプラインを破壊し欧州にロシア支持を迫ったとみられます
日本の電気料金は政府の許認可制で抑えてきたが、天然ガスと石炭に依存しているのでこれらが値上がりすれば電気代も値上がりします
日本は10年以上の長期契約で資源を購入しているが、買い付け価格は市場価格に連動するので今後は値上がりします
円安で円建て価格は高騰する
欧州は今までロシアから半分程度購入していたが、それが止められたのでスポット購入という割高な市場価格で購入しています
これがイタリアの電気料金を2倍に高騰させ極右は「我々が勝てば電気料金が下がる」と言って当選しました
電気料金は各国政府がなんらかの統制をしているがガソリンは市場にまかせる場合が多く、酷い事になっています
日本のガソリン価格は数年前に130円前後だったのが160円台になり、2割以上値上がりし物価の上昇を引き起こしている
アメリカのガソリン代は長い間リッター50円くらいで日本の半額だったが、アメリカは1ガロン5ドルだと約190円/Lになります
これがアメリカでEV販売を後押ししガソリンバッシングになり、カリフォルニアやNYでガソリン車禁止の流れになっています
日本のガソリン価格が160円/L台なのを紹介した英語圏掲示板では、各国の価格が紹介されていたのでここに並べてみます
ノルウェー350円以上、香港625円、フランス224円、イギリス309円、オーストラリア354円、ドイツ250円、フィンランド388円などとなっている
ちなみに韓国のガソリン価格は1リットル200円以上だったが、最近は値下がりして170円台、中国では190円台となっています
世界の主要国で日本よりガソリンが安い国はなく、おそらく日系商事による長期契約とか備蓄、油田権益の確保が成功している
だが円安によって円建てのエネルギー価格が高騰し、円安が続くと岸田首相が言うように大幅な値上げが避けられなくなる