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イギリスが年金破綻のおそれ、デリバティブで巨額損失

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イギリスは結構つらい事になっています
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国債を海外投資家に依存した罠
米経済メディアBloombergなどによると英年金基金の債務主導投資(LDI)に関連したデリバティブ評価損が最大1500億ポンド(約25兆円)の可能性がある
損失額はJPモルガンの試算によるもので英年金基金はマージンコールに対応するため資産売却を進めています
マージンコールとは口座維持に必要な証拠金を割り込んだ時、金融機関から追加の入金を求められることで、必要額の75%を下回ると強制決済になります

例えば10万円を入金して2倍の20万円を何かに投資し、対象の指数が半額になったら含み損が10万円なので口座残高はゼロになります
実際は残高ゼロになるかなり前に追加入金を求められ、入金しなければ決済になり含み損は確定損になってしまう
投資初心者が必ず経験する道ですが、投資のプロである英年金基金がこんな事をやっていました
英年金基金の債務主導投資(LDI)評価損は1250億-1500億ポンドで、デリバティブ取引で巨額損失を出す恐れがある
損失のきっかけはトラス新政権の大規模減税策による金利上昇で、2倍から4倍のレバレッジをかけてLDI運用をしていた
LDIは金利スワップなどを用いて年金の積み立て不足を補うもので投機的ではないが、金利の急変動で見込んでいた利益が損失に変わったとみられる
英年金基金の運用は分からないが例えばイギリスが低金利で他国が高金利だと、高金利通貨に投資することで金利収入を得られます
これがある日イギリスの方が高金利になれば逆に毎日金利分を支払う事になり、レバレッジが4倍なら4倍の損失が毎日発生します
デリバティブ投資の多くは受け取る利益が僅かなのに、損失時に無限に損失が拡大する性質を持っています
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デリバティブと海外投資家

例えば「毎日確実に100円を受け取れるが、万が一1ドル150円を超えたら100万円を支払う」のように、一見ありそうもない事を契約に書いてあります
ところが歴史的にこうした「ありそうもない事」は実は10年か20年に一度発生していて、その度に巨額損失で破綻する
イギリスの債務主導投資(LDI)は1・5兆ポンド(約250兆円)で、英国機関投資家全体の運用資産の4割も占めている
つまりイギリスの投資の4割は金利の急変動で損失を出している事になり、国家的な危機に発展しています
経緯を見ると首相候補に立候補したトラス氏が大規模減税を公約に当選し、英国債の市場価格が下落し国債金利が上昇した
イングランド銀行(中央銀行)は緊急国債買い入れを実施し、年金基金は資産を売却してマージンコールに対応し強制決済を防いだ
強制決済防止には3200億ポンド(3550億ドル)、約50兆円近くが必要で50兆円を入金しないと25兆円を失います
イングランド銀行は日銀のように国債を買い入れたが無限ではなく10月14日までに終了したようです
英国債の40%ほどを海外が保有しているとみられ従来中央銀行による国債買い入れはゼロ、中央銀行が国債を無限に買い取っている日本と構造が異なります
国債の海外保有率が高いと通貨下落は投資家の損失になるので、国債投げ売りから暴落の流れになりやすい
日本は円安になっても国債投げ売りは起こらず日銀がまた買い取るだけです
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