ドイツの暖房は「家じゅう全て暖房するか、暖房とお湯なしにするか」二者択一で中間は無い
画像引用:https://www.its-kg.at/heizungsinstallation.html
セントラルヒーティングをガス高騰が直撃
エネルギー不足のドイツで電気ストーブや電気ファンヒーターが売れていて、しかも冬を前に値上がりしているという
ドイツ車は21世紀になるまでエアコンがないのが普通で家庭では今もエアコン無し、代わりに暖房はどの家庭でも標準装備でした
ドイツの住宅では新築時からハイツングというセントラルヒーティングが供えてあり、アパートやマンションでは家賃に含まれている場合が多かった
ハイツングは地下などにボイラー室があり燃料はガスか石油で、アメリカ式に家一軒を丸ごと温めるという贅沢なものです
ところがウクライナ侵攻とインフレでガスも石油も高騰してしまい、もはや一般家庭で付けっぱなしにする事ができなくなった
ドイツのガソリン価格は書いている時点で278円/Lですが為替レートや価格変動で300円/Lを超えた事がありました
ドイツのガス料金は9月に1kWhあたり15.29セント(22.21円)、日本もkwhで計算すると都市ガス1.5円になるそうです(1kWhあたりのエネルギー別単価比較!!|ほかほかアカデミー)
日本では1か月のガス料金が平均5000円だそうですが、ドイツで同じ使い方をすると5万円かかり冬に24時間セントラルヒーティングだと10万円になるでしょう
ハイツングが家じゅうのお湯も担当しているのでガスを止めるとお湯が出なくなり水道管が凍結したり破裂するおそれも出てくるでしょう
日本ではお湯は給湯器、エアコンは電気、ストーブは灯油など分業しているがドイツでは家じゅう全部ボイラーが担当しています
ハイツングの燃料はオイル(灯油?)の場合もあるがこちらも価格が高騰しているので使い放題はできなくなる
そこで電気ストーブの出番になり、1月から8月は(夏なのに)電気ストーブが約100万台売れて前年比1.8倍になりました
ドイツに必要なのはコタツ
電気ヒーターや電気ストーブの類は電気代が高額なのに部屋はあまり温まらないという欠点があり、1部屋だけ暖めるとしても月数万円になるでしょう
最近欧州のダイキンはエアコン生産能力を倍増し年間1000万台にすると発表し、とても売れているらしいです
エアコンの電気代は外気と室内の温度差で変わり、温度差によって電気代で10倍以上も変わってきます
気温差が小さく最小運転の時に日本国内の電気代は1時間3円以内ですが、最大出力では約40円なので24時間で1000円かかります
1か月ずっと最大出力だと月3万円で実際には2万円以内、ドイツの電気代は1kwh約40円なので1部屋だけなら月3万円以内で済むでしょう
家じゅうガス暖房で月10万円よりはかなり安いが、多くの家ではハイツングを稼働させないとお湯が出ず水道管が凍る問題が残る
ハイツングを動かさないとどうなるかはボイラーが故障した日本人が書いたブログが多くあるので、結構頻繁に故障するのが分かります
ハイツングが止まると家じゅうのすべての暖房が切れて家じゅうの全てのお湯も冷水に変わり、使えるのはガスレンジのみになります
多くのドイツ人は電気ストーブを持っておらず、これには「熱を電気に変換してまた熱に変えるのは非効率の極みだ」という緑の党などの反対運動があった
緑の党は日本の共産党と社会党と民主党を合計して環境主義をブレンドしたような過激政党で、ドイツではかなり支持されています
結局今すぐ使えて安いのは電気毛布だという事になり、電気毛布の売り上げが13倍になりました(ドイツにはコタツがない)
今ドイツでコタツを売ればヒットするかも知れません