プロレスが日米にしかない理由
プロレスが盛んなのは日本とアメリカとメキシコ、格闘技が盛んなのもほぼ日米で欧州にも存在するものの盛んとは言い難い状況です
この理由は国民気質とか文化と説明されることが多いですが、プロレスラー自身によると単純に「保険に入れないから」だという
負傷するリスクが高い競技選手は保険会社に拒否されるか高額な保険料を要求されるので、よほど高収入でないと加入できない
きちんとした競技団体があれば団体と保険会社が契約するが多くの格闘技団体や小規模なプロレス団体はそうした契約をしていません
日本相撲協会は独自で健康保険組合を持ち事故への保証もしていて、日本ボクシング協会のような大きなプロ組織も保険対応していると思います
空手、柔道などアマチュア競技はスポーツ保険で対応し、個人で加入し年間保険料は大人で約2,000円くらいです
プロの格闘家やプロレスラーはそうはいかず、一般のスポーツ保険に加入できず嘘をついて加入してケガをしても支払いを拒否されます
アメリカは保険料が高い国で知られているがWWEなど団体として保険会社と契約していて、小規模なインディペンデント団体はあまり存在しません
数人でやってるような団体は保険会社が相手にしてくれないので保証がなく、レスラーが集まらないという事情があります
日本もそれは同じで新日本や全日本のような大手は団体契約するとしても、小規模団体は保険会社から相手にすらしてもらえません
だが日本には国民健康保険(国保)があり全国民に加入が義務付けられていて、国から強制的に加入を求められています
国保加入者がけがをすると、例えそれが試合中に椅子で叩かれたのが原因だとしても医療費の3割負担で、高額医療制度によって最高でも月10万円くらいで収まるでしょう
国保だけが唯一の保険
国保は外国人レスラーでも加入でき「在留期間が3か月を超える予定」の人は日本人と同じように加入し保険料を支払い保険適用を受けます
外人レスラーの一回の来日期間がだいたい3か月と決まっているのはこういう理由からで、主催団体が3か月間の滞在を保証することで国保加入しています
2012年以前は外国人の国保加入には1年以上の滞在予定が必要だったが3か月に短縮され、多くのスポーツ選手に適用されるようになった
プロレスは真剣勝負ではないと言われているが実際にはケガが多く、試合や練習中になくなる事故が定期的に発生しています
試合を休むようなケガをしても多くのプロレスラーや格闘家は個人事業主であり、主催団体や会社は面倒を見てくれません
見舞金くらいは貰えるかも知れませんが、基本的に治療費は自腹で払わなくてはならず金銭的に行き詰るでしょう
国保に加入していれば大けがをしても治療費は一定金額以下で収まるので、金銭的に楽だし復帰もスムーズに運ぶでしょう
レスラーや格闘家が個人で加入できる生命保険もあるが断られることが多く、あるプロレスラーはコネを辿って一社だけ生命保険に加入できたが傷害保険は全社から断られたそうです
例えばau損保の入院一時金では『テストライダー、オートバイ競争選手、自動車競争選手、自転車競走選手、プロボクサー、プロレスラー等やその他これらと同程度またはそれ以上の危険を有する職業に従事している間の事故』は保証されないと書かれていておそらく全社同じでしょう
誰でも加入でき誰でもどんな状況でも保証される国保がある事で日本の格闘家やプロレスラーは保証され、盛んにおこなわれています
もし国保が「危険な職業は対象外」となったらその日のうちに日本の格闘技は消滅するでしょう