発射した火星17と思われる運搬車両
title-1668749827505
画像引用:https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20221118-00324457 北朝鮮発射のICBM、韓国軍は「火星17」と推定(高橋浩祐) - 個人 - Yahoo!ニュース



火星17は米本土に到達

北朝鮮は2022年10月から11月にかけて太鼓の乱れ打ちのようにミサイル発射を繰り返し、11月18日には米本土まで届くICBMを発射した

飛行距離は約1000キロ、高度は約6000キロに達し計算すると低高度で発射すれば米国本土の多くの州まで到達するのが分かったという

いうまでもなく日本列島の全ての場所は射程範囲内になり、発射装置は火星17型と分析されている

スポンサー リンク

火星17型は11軸の車輪を持つ大型車両の上から発射し、火星15の車両は9軸、火星14は8軸車両で運搬していた

車両の総重量は100トン以上あるとみられるが、通常はトンネルの中などに隠しておき発射直前に出て来て固定する

海上自衛隊は11月16日と19日に新型の弾道ミサイル迎撃ミサイルSM3ブロック2Aをハワイ沖で発射し、目標の迎撃に成功したと発表しました


果たして北朝鮮が発射した火星17を海自のSM3ブロック2Aで迎撃できるのかを公表データから比較してみたいと思います

SM3ブロック2Aは最大高度1000キロ超、最大半径2000キロの範囲で迎撃可能ですが、「2000キロ離れた高度1000キロのミサイル」は迎撃できません

物理的に到達できるかの問題の他に時間の問題もあり、遠方の高高度まで到達した時に弾道ミサイルは既に落下している可能性があります


北朝鮮は弾道ミサイルを発射する時に必ずイージス艦が居なそうな離れた場所を狙っているのはこれが理由だと考えられます

SM3ブロック2Aは半径数百キロに落下する弾道ミサイルを迎撃できるでしょうが、1000キロ以上も離れたら失敗する可能性が高い

火星17は最高高度6040キロまで上昇し日本海中央部の北海道沖に落下したので、東京や大阪を狙うとやはり高度6000キロ超から落下します

スポンサー リンク


ある程度迎撃できるが100%は防げない

SM3ブロック2Aの高度は1000キロ超なので、火星17ほぼ真上からマッハ10以上で落下し迎撃可能な高度から地上に落下するまで5分程度しかありません

この時低い高度で迎撃しても弾頭は地上に落下してくるので、なるべく高高度で迎撃しないと地上に被害が出るでしょう

もう一つの問題は飽和攻撃で防衛省幹部は北朝鮮が大量のミサイルを発射したのは「飽和攻撃のテスト」だと分析していました


現在のイージス艦は迎撃ミサイル発射装置に数発のミサイルしか内蔵できないので、10発同時に弾道ミサイルを発射すれば確実に突破されます

この問題を解決するのが最近海自が発表した2万トン超の巨大イージス艦で、おそらく大量の迎撃ミサイルを同時に発射できるでしょう

船なので北朝鮮に接近すればより初期段階で迎撃が可能になり、命中精度も上がり地上の落下物による被害も回避できます


SM3ブロック2Aの到達高度は1000キロ超だがもっと高度を上げるには大きな発射装置と大型のミサイルが必要になり、現在のイージス艦に格納できなくなるでしょう

費用の問題もあり高度数千メートルを飛行する弾道ミサイルをミサイルで迎撃するには多額の費用が掛かりすぎる

そこでレーザーによる迎撃などが考えられているがアメリカ軍は攻撃こそ最大の防御と考えている


北朝鮮がアメリカを攻撃可能なミサイルを10発保有するならアメリカは100発か1000発保有すれば良いという考え方です

日本も発射された弾道ミサイルや極超音速ミサイルをすべて迎撃するのは現実的ではないので、いずれ攻撃用弾道ミサイル保有や核兵器保有の必要が生じるでしょう

なお現在海上自衛隊が使用しているSM3ブロック1Aや1Bで火星17を迎撃できる範囲はブロック2Aよりさらに狭いでしょう