親と同居するアメリカの若者が増えています
画像引用:https://www.visualcapitalist.com/us-young-adults-living-with-their-parents/ Over Half of U.S. Young Adults Now Live With Their Parents
アメリカの若者が1人暮らししなくなった
多くの人は日本人は親と同居が多いが、アメリカ人は親から独立して生活している人が多いと考えているのではないでしょうか
日本人女性の就労率も「アメリカが高く日本は低い筈だ」と認識されているが、調査対象によってはもう日本のほうがアメリカよりも高いです
どの社会でも30%くらいは「絶対に外で働きたくない女性」が3割は存在するので、これを8割や9割にするには強制動員するしかありません
米民間調査機関ピュー・リサーチ・センター(PRC)の2022年調査によると、米国で親と同居する18~29歳の若者は52%に達している
一方日本では18歳から29歳という調査がないが、20歳から24歳までは65%、25歳から29歳までは41%、20歳から34歳の区切りでは45%が親と同居していた
アメリカは1960年代に親と同居する若者は29%しかおらず、未だにこの頃のイメージで「アメリカ人は独立心が強い」と思われています
日本で親と同居する人(20歳から34歳)は2012年頃のピーク時に48%だったが、現在はやや減少して44%台になっています
日本では男女で大きな差があり男性20代で親と同居するのは45%程度だが、女性は58%にも達しています
日本は30歳から34歳では男性30%、女性35%と大幅に減少し男女差も小さくなっているのが分かります
アメリカで親との同居が増えている最大の理由は経済的なもので、今時大都市で部屋を借りるとワンルームでも40万円以上必要になります
アメリカ人の1人当たりgdpは7万ドル(約1000万円)に達しているが、これだけの年収があっても収入の半分は家賃だけに消えています
夫婦共働きだと収入が増えるが子供ができてファミリー向けマンションを借りると家賃は70万円で教育費がかかるので、家計はむしろ辛くなります
豊かになったのに貧しくなったアメリカ人
独身では親と同居した方が圧倒的に家計が楽になり、結婚しても親の家や親の敷地に住む方が経済的に楽です
アメリカの一戸建ての敷地面積は平均250平方mで日本は130平方mなので2倍近く、子供世帯が親世帯と同居しても余裕があります
アメリカの都市郊外では20万円や30万円でトレーラーハウスの住居をレンタルできるが、そこは治安が悪く一般的にはスラムと呼ばれたりします
(第二次)戦前から1960年代までは家を出て働けば親より大きな家を買って、親より裕福になるのが当たり前だったから皆家を出て行きました
ところが今はプール付き住宅など富裕層だけの物になり、普通程度の賃貸アパートに住むのに年収の半額が必要になっています
子どもが家を出たら99%の確率で前より貧しくなり生活水準が下がるので、親と同居するアメリカ人が増えました
アメリカでも少子高齢化が静かに進んでいて出生率は1.6だが低下傾向にあるので、将来日本の1.3とそう変わらなくなるでしょう
従来アメリカでは祖母父・両親・子供が別々の3軒の家に住んで居たが今これをやったら、都市部の賃貸だとすると毎月100万円から150万円の家賃がかかります
親が家を所有していて3世帯が同居か同じ敷地に家を建てたら、別々に住む数分の1の住居費で住む
多くの平均程度のアメリカ人が生活破綻しないためにはこれしか無い状況になっていて、世界一の金持ちも実態は楽ではない
こうなった原因はアメリカの経済成長そのものにあり、成長の多くは株価や土地など資産価値上昇によってもたらされた
労働者の給料が2倍になる間に地価は十倍も上昇したので、家は人々が買える値段ではなくなり家賃が年収の半分になってしまいました