黒田総裁の会見を受けて円高になり、専門家は120円を予想している
画像引用:https://news.goo.ne.jp/article/tokaitv/business/tokaitv-20221221-1746-23998.html 専門家「黒田総裁の間に道筋を作る背景も」日銀の“事実上の利上げ”サプライズ発表 住宅ローンにも影響か(東海テレビ) – goo ニュース
実質利上げ
日銀は22年12月20日に突然、10年国債利回りの上限を0.25%から0.5%に引き上げた事から世界中に「日銀ショック」を引き起こしている
日銀は今までイールドカーブコントロール(YCC)で長期債利回りを政策金利の0.25%より低く誘導してきたが、事実上これを放棄しました
YCCは2016年9月から実施されていて目的の一つは「インフレ率を上げる」事で2つ目はマイナス金利で赤字になった金融機関の救済でした
3つ目は金融緩和の副作用軽減で、日銀は長期金利を0.25%以下に抑えるため大量の日本国債を買い国債発行額の50%を日銀が保有している
これによって日本政府は大量の国債を発行することが可能になり2023年の当初予算は過去最大の114兆円、補正予算で120兆円を超えるでしょう
日本政府が新規に発行する国債をすべて買い取るのが日銀の金融緩和政策で、円の流通量が増え米国との金利差が拡大して超円安になった
2022年は150円に達した円安、4%に迫るインフレ率、エネルギー価格高騰と貿易赤字などが同時に起こり、経済環境が悪化している
アメリカは2023年に政策金利5%に利上げするが日本が-0.10%のままだと金利差が拡大しすぎて、なんらかの歪や経済ショックを引き起こす可能性があります
その一つは1ドル150円の円安で日本のドル換算GDPが1ドル75円の半額になった事で、良い効果と悪い効果の両方を産んだ
超円安で日本は外国から見てバーゲンセールになり、世界の多くの企業や投資家が日本に投資したり工場を計画している
また一般的に通貨が安い国は生産コストなども安くなるので、円高より経済成長率が高まります
悪い効果としては輸入価格の上昇でインフレ率が上がり、通貨下落と高インフレのハイパーインフレも懸念されている
安倍政権の失敗で日銀政策も行き詰った
安倍政権では当初2%のインフレ率と2%の物価上昇、ゼロ金利によって好景気を創出し過去の借金を減らす政策だったと考えられます
毎年2%物価があがり経済成長して金利がゼロなら、日本の過去の借金は単純に考えれば毎年2%減っていき10年間で20%減る計算です
ところが安倍首相は2度の消費増税で経済成長率をゼロにしていまいインフレ率もゼロの「ゼロゼロ経済」になり7年間で借金だけ拡大させました
日銀の金融緩和で黒田総裁が批判されることが多いが、この政策を破綻させたのは安倍首相と増税をけしかけた財務省です
2022年にインフレ率が3%を越えたが成長率は1.5%程度で、日本はインフレ率を抑えるため利上げする必要があり金利を抑えるYCCを続けていた
12月20日に上限金利を0.25%から0.5%に倍増したことで、日本も政策金利を上げる筈だという観測が強まった
22年のドル高円安は米政策金利利上げがもたらしたので、日本が利上げすると金利差が縮小するという予測から円高が進んでいる
欧米専門家の分析によると日銀の実質利上げによって1ドルは120円前後になる筈だと予想されている
円高と利上げは日本のインフレ率を下げる効果があるので、来年も欧米のように8%や10%にはならないでしょう
YCCは金融緩和とセットだったので今後日銀は日本国債の買取量を減らしたり、保有残高を縮小させる可能性もあります
そうなると日本政府は無限に国債発行して日銀に全額買わせる事ができなくなり、経済政策を縛られ増税する可能性もあります
日銀ショックは世界にも波及して米国債の売り注文が増加し、中ロやアジアにも今後何らかの影響が及ぶでしょう