パッと見同じだが値段と写真の出来栄えは比例する
マニアはその違いにお金を払います
画像引用:https://www.ortery.jp/ec-blog/aps-c-fullsize/ フルサイズとAPS-Cの違い!初心者向けに簡単解説!3分でわかるセンサーサイズの比較 _ オートリージャパン
カメラ業界崩壊から底打ちへ
2020年から21年にかけてカメラ市場で崩壊と呼べる現象が起き、カメラ産業やカメラそのものが地球から消えるように思われました
2018年にカシオがカメラ事業から撤退すると「次はどこか」が焦点になり、オリンパスや富士フィルムやニコンやパナソニックも候補に挙げられた
オリンパスは2020年にカメラ事業を分社化して日本産業パートナーズに事業譲渡、オリンパスの名前は残っているが企業のオリンパスは撤退した(医療用カメラなどは継続)
撤退したカシオも2019年に医療用カメラ参入が報道され、1台数千円のコンデジから数百万円の医療機器にシフトしたようです
2000年のコロナショックであらゆるカメラの売れ行きが全世界で減少し、すべての既存カメラメーカーが存続の危機に立たされた
2000年は高級カメラでは従来型一眼レフからミラーレスに移行する過渡期だったが、移行が完了していたのはソニーだけでキャノンやニコンはまだだった
ミラーレスは日本では一眼レフの販売台数を上回っていたが欧米のユーザーは保守的で、特にアメリカでは拒否反応が強かったという
そこでキャノンやニコンは一眼レフを主力にしていたが、その一眼レフの販売台数が年々減少しミラーレスはソニー独占のような状況になった
ソニー、キャノン、ニコンの大手3社に次ぐ存在は富士フィルムやパナソニックだが、存在感が薄く特にパナソニックは何度も撤退が報じられた
大手御三家はセンサーサイズがフルサイズ中心で画質が良く値段も高いが、パナソニックとオリンパスはフォーサーズという低画質で値段も安い商品を主力にしていた
御三家はプロ用の高級ミラーレスを次々に発売し価格は本体だけで30万円から50万円、相応しいレンズを買うと合計100万円にも達する
安さがウリのカメラを主力にするメーカーの中心価格は数万円で、見た目が似ていても両者には価格でも収益でも10倍の開きがあります
カメラマニアに価格の上限はない
パナソニックはフルサイズの高画質で動画性能がすぐれたカメラを発売しているが、やはりソニーやキヤノンを選ぶ人が多いと思います
2020年から21年のコロナ最悪期に事業として成立していたのは恐らくソニーだけで、他は売っても赤字、売らなくても赤字の状況に陥っていた
変化が起きたのは22年で欧米でも一眼レフからミラーレスに人気が移り、しかもより良い画質などを求めて高額カメラを求める人が多かった
この辺は人間の競争原理で他の人がSNSで良い写真を投稿していたら、マニアは少なくとも同等かより良い写真を投稿したくなります
釣り師が魚を釣るために高価な道具を買うように、カメラマニアも見栄えがする写真を撮るためなら数十万円のカメラやレンズを購入します
国内カメラメーカー売り上げの9割は外国への輸出なので、22年後半に進んだ円安は各メーカーの収益性を大きく向上させた
今では東南アジアなどで生産しているメーカーも多いが、それでも日本国内のコストダウンが外国人から見て購入動機を後押しした
一時代前の一眼レフと今人気のミラーレスフルサイズカメラは単価が2倍も違う場合があり、販売数が同じなら収益性はかなり高い
昔販売数の大半を占めていたコンデジは販売数で全盛期2010年の5%程度に縮小し、単価も安いので主力商品ではなくなりました
インスタ映えで女子に人気だったフルサイズではないミラーレスも、売れているものの価格は数万円と安いのでそれほど儲かっていない
カメラーカーの利益になるのは高額なフルサイズカメラで、野鳥や鉄道を取るようなカメラは特に高い
あの手のものはみんな同じ被写体を撮るのでカメラの性能が出来栄えに直結し、やはり高額なカメラのほうが良い写真になりやすい