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米中半導体競争はメモリーからパワー半導体へ移行

中国は国産自動車などにパワー半導体を搭載できる
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米中が半導体で覇権争い
半導体の上位国や企業と言えばサムスン電子と韓国、台湾のTSMC、あるいは世界トップのインテルなど米企業が連想される
だがそれらは記憶装置メモリーとしての半導体で、メモリーはコストが最重視され、通常性能や品質は二の次となっています
パソコンのCPUなどに使われるロジック半導体ではメンバーがガラリと入れ替わりアメリカ企業が世界シェアの多くを占め、韓国のシェアは3%に低下する

ロジック半導体で設計ができるのはほぼ米国企業とイギリスArmだけで、台湾のTSMCは受託生産のみで設計はしていません
ロジック半導体は半導体市場の3割の約20兆円以上を占め急成長しているが、現在日本国内で製造はしていません
自動車部品に使われるモーターなどを制御するのはパワー半導体で、ここに日本企業数社が顔を出しています
パワー半導体ではドイツのインフィニオンという聞いた事が無い企業がトップで26%、米セミコンダクターが2位で10%となっている
10位以内の1桁シェアに三菱電機、富士電機、東芝、ルネサス、ロームが顔を出し国別で日本は28%とそこそこのシェアを持っている
日本企業の自動車や工作機械・工業製品などに日本企業のパワー半導体が使われていると思われ、日本にもいくらかの勝機がある
中国は最近10年ほど半導体強国を目指して数十兆円もの投資をしたが、米国の対中制裁を受けて独自開発や国産化に舵を切った
高度な設計技術を必要とするロジック半導体で中国はアメリカに適わず、誰でも作れるメモリー半導体はもう飽和状態になっている
中国が目を付けたのは自動車や機械製品に搭載されるパワー半導体で、世界の誰も買わなくても中国製品に搭載できます
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巨額投資だが孤立無援の中国半導体

パワー半導体の世界市場は約2兆円でロジック半導体の20兆円超やメモリの20兆円程度より小さいが、ロジック半導体ほど高度な技術を必要としない
かと言ってメモリ半導体ほど「安けりゃ良い」訳でもなく、なにより中国は膨大な国産工業製品に搭載可能なので魅力的に映っている
アメリカはトランプ政権で始まった対中制裁をバイデン政権で強化し、半導体の高度な技術だけでなく人材の交流も禁止し米国人技術者は中国からいなくなった
日本など同盟国にも対中半導体制裁を呼びかけていて岸田首相は具体策を示さなかったものの首脳会談で協力を表明していました
報道では中国は「信じられないほどの金額」をパワー半導体に投じていて、今までの例から数十兆円をこの分野に集中投資すると考えられる
これまでは中国は鉄道、軍事、宇宙、EVなど特定の分野で世界覇権を握ると宣言し、それぞれに数十兆円から100兆円以上もの金額を投資してきた
実は金額で見るとそれらは赤字なのだが、膨大な借金が増えたとしても各分野で成功をおさめ、日米欧に追いついたり上回った部分もあった
中国には一つ巨大な弱点があり世界のどこにも同盟国が無く親密な国も存在せず、半導体開発などで協力できる国もない
ロシアや北朝鮮やパキスタンと限定的な軍事協力はあるが、それらの国と半導体開発で協力はできず先進国とは対立している
例え中国が100兆円以上を半導体に投資したとしても、日米欧の先進国が協力し合うので覇権を握るのは困難でしょう
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