キャッシュレスは無料じゃないです
離島や山地で使うには多額の費用がかかります

キャッシュレスは無料?
日本がキャッシュレス社会に向けて猛然と走り出したのはコロナ流行前の2019年で、ソフトバンクがペイペイ100億円キャンペーンをやりビックカメラに行列ができた
このキャンペーンは最初ビックカメラで購入して抽選に当たると全額(上限10万円)がキャッシュバックされる仕組みで加入者が急増し”なんとかペイ”が乱立した
この頃なんとかペイは手数料無料でキャッシュバックなど特典を競っていて、多くの人はスマホQR決済は手数料無料だと誤解していました
実際には普及するまでキャンペーンとして無料にしていただけで、現在はクレジットカード同様に3%などの手数料を店舗から徴収しています
日本政府はキャッシュレスを推進すれば社会が効率化され、膨大な現金取り扱いコストがゼロになると言って現金の取り扱いを減らそうとした
メディアは欧米や中韓の例を挙げて「現金で買い物する日本人がいかに遅れているか」だけを連日報道した
その成果で2011年に15%だった現金決済比率は21年に32.5%に上昇したが、この話は丸ごとすべて全部嘘で作り話です
現金決済比率は個人が店で買い物をするときだけで、企業や金融機関の支払いでは昔からすべて「キャッシュレス決済」でした
現金決済が主流だったのは江戸時代の話で当時ですら江戸と大阪ではキャッシュレスの信用取引が行われていました
まして2000年代には日本でのお金の移動や取引は90%以上がキャッシュレスで、「日本のキャッシュレス比率は15%」というのが作り話でした
この作り話を真に受けたのが日本政府で大真面目にキャッシュレス化を推進し、今は個人の買い物でキャッシュレスが33%くらいに増えました
ハンバーガーを買うのに現金で支払う人が減りペイペイで支払う人が増えましたが、だから何だと言うのでしょうか?
キャッシュレスにしても手数料はかかる
日本政府がキャッシュレスを推進した大きな理由は、現金は現金取り扱いコストがかかるがキャッシュレスではゼロになる点でした
経済産業省は2022年10月に、キャッシュレスが8割に普及すると運営費3割増、1.4兆円のキャッシュレスコストがかかると(こっそり)発表した
クレジットカードの発行や郵送、決済手段に対応した読み取り端末の設置費用に1.4兆円がかかり、100%キャッシュレスになると別の問題も生じる
たとえば富士山の頂上で蕎麦とかを売っていますが、現金を排除するとどんな離島や山奥でも政府か企業がキャッシュレス環境を整備しなくてはならなくなる
現金なら手渡すだけで良いがキャッシュレスは常時接続の通信手段が必要で、スマホは一部の衛星通信以外は通じません
一方で現金決済の維持にも現在年2.8兆円かかっているので差し引きすると現金よりキャッシュレスは1.4兆円のコストダウンになります
国民1人当たり年1万円超安くなりますが、結局キャッシュレスを100%にすると「無人島や八ヶ岳山頂に基地局をつくる」ような話になるので不可能です
通信できない場所では支払いできなくなるので、日本の国土全てで常時通信可能にしなくては完全キャッシュレス化はできません
現金決済の何割かは最後まで残るのでトータルの決済コストは1.4兆円より削減効果が小さくなります
マスコミや政府が言うほど大きな経済効果はないです
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