ロシア兵は砲弾替わりに突撃を命じられる

元ワグネルの見方
ニューヨーク・タイムズの記事によると米政府高官はロシア軍の死傷者数が20万人に近づいていると語った
ウクライナ東部ドネツク州のバフムートを巡る攻防により損失が拡大しているが、特に軍事会社ワグネルによる兵士の消耗が激しい
両軍はバフムト周辺で毎日数千発の砲弾を撃ち合っておりそれぞれの死傷者は1日数百人、ウクライナ軍による砲撃でワグネルが被害を受けている
米高官は露軍はワグネルの戦闘員を「消耗品」として使いウクライナ軍の弾薬を枯渇させるのが狙いだと分析している
ロシア軍は砲弾が枯渇しつつあるが、ワグネルは不足する弾薬の代わりに囚人を前線に送り込んでいるとも述べた
23年1月になってからワグネルはバフムート周辺の小さな町や村を占領したが、このような消耗戦でバフムートが陥落するとは思えない
ワグネルの傭兵だったロシア人マラート・ガビドゥリン氏は滞在先のフランスでメディアの取材を受け、国家予算で運営されていたと証言した
ワグネルは2014年にプーチン大統領と近いオリガルヒ(新興財閥)のプリゴジンと参謀本部情報総局(GRU)のドミトリー・ウトキンが創設した
2014年のウクライナ東部の紛争に参加したほか、シリアなどの中東やアフリカで実戦を経験しロシアの利益になる軍事行動をしてきた
ガビドゥリン氏はロシア軍空挺部隊出身で2015年にワグネルに参加し2019年に脱退するまでルガンスク州とシリアに派遣され、プリゴジンの補佐もしたという
ワグネルは法律で規定されていないが国家予算で運営されていてロシア軍と同じく国防省や軍の兵站に依存し運営されていると語った
ワグネルはロシア軍が劣勢になった頃から攻勢に出て数々の戦果を挙げたとアピールしたが、ガビドゥリン氏はそれらは全て嘘だと証言した
選択肢なく命じられるままのロシア兵
ガビドゥリン氏はワグネルは前線の半分を支えているというのは誤りで、実際のワグネルは前線の一部で活動しているに過ぎないと指摘した
ワグネルの戦果はオーナーのプリゴジン氏が宣伝に利用する為に誇張されていて、彼はプーチン大統領に代わってロシアの実権を狙っていると言われている
報道によるとワグネルは囚人5万人を雇い4万人が失われたが、囚人を雇うのは志願者が足りず人的損失が大きくなっているからだと語った
ガビドゥリン氏はロシアのプロパガンダは全てについて嘘をついていて、彼らが言っている侵攻の口実もこじつけに過ぎないとも語った
そしてもしロシアが勝利と呼べる状況まで何とか修正できたとしても、その勝利はさらに悪い結果に至るだろうと述べた
ロシアはウクライナで徐々に劣勢になり今は敗色濃厚に見えるが、実際にウクライナに派遣されたロシア兵はどう考えているのだろうか
ロシア軍の元尉官コンスタンティン・エフレモフ氏はロシア軍の兵士は訓練されておらず、「軍人ではなく便利屋だ」と語った
エフレモフ氏は「兵士らはプーチンの作り話を信じていないが他に選択肢がないから従っている」と指摘している
徴兵されたロシア人が取り得る選択肢は自分が刑務所に入り家族が路上生活者になるか、自分が塹壕に入るかしかない
もう少し先が見えていた人は招集される前に国外に脱出したり、賄賂を渡して免除対象者になった人も居るが多くの人は命じられるままに前線に立っている
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