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スリランカ破産の原因は中国の罠ではなく国際市場からの資金調達だった

スリランカへの投資を呼びかける広告、こうしてスリランカは多額の債務を作った

画像引用:https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_fund&cat1=fund&cat2=none&dir=info&file=comment/fund_comment_161208.html スリランカの国債への投資で高利回りを狙う!世界的な低金利環境の今、要注目のファンド!|特集|投資信託・外貨建MMF|SBI証券

中国の罠はなかった?

地球温暖化対策として先進国は環境対策に取り組み、ゼロ炭素社会の実現に投資しているが同じ事をやって経済破綻した国がスリランカでした

21世紀になって世界は環境を重視し始めたがそれは一部の先進国だけで、多くの新興国は取り組んでおらずむしろ環境破壊している

先進国は環境対策に厳しく新興国は緩いので多国籍企業は川に汚水を流しても良い後進国で有名ブランドを製造しています

後進国が経済発展するためには環境破壊が不可欠で、もし後進国が先進国なみの環境基準だったら世界的大企業は進出しません

スリランカは2022年7月5日ウィクラマシンハ首相が国の「破産」を宣言し、同7月12日にラジャパクサ大統領が国外逃亡し14日に辞表していた

スリランカの首都コロンボでは経済破綻に怒った人々が同年4月に暴動を起こし大統領公邸が占拠され、全土に非常事態宣言が出されていた

スリランカが経済破綻した原因は過剰投資に伴う対外債務を返済不能になったからで、特に2010年頃から中国から多額の借り入れをしインフラ投資していた

中国は「借金でインフラ投資すれば年10%以上成長するので金利は実質無料で実質返済しなくて良い」とまるで実質ゼロ円のソフトバンクのように甘い言葉で融資した

つまり1兆円借金してインフラ整備すれば1兆円以上経済成長するので、インフラ建設費が実質無料になるような理屈です

そうもちかけた中国は実際には高度成長していた時でさえインフラ投資額に対して20%程度しか経済成長していませんでした

実際のスリランカの成長率は2010年頃は8%台だったが2013年に3%台に下がり、2020年にマイナス3%、2022年はマイナス8%を下回った(予想値)

実質無料のスマホを途中で解約すると違約金を取られるようなもので、外国から借金の返済を迫られ経済破綻し国民生活が破綻した

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環境原理主義でダメ押し

こうしてスリランカは中国の”債務の罠”に嵌められたが対外債務の内訳を見ると国際資本市場からの借入47%、アジア開発銀行13%、日本10%、中国10%、世界銀行9%、インド2%、その他9%となっている

約半分を占める国際資本市場とは独自の債券発行と思われ、2007年に国際金融市場で国際ソブリン債(ISB)を起債し5億ドルを得たのが始まりでした

投資をやっていた人はその頃スリランカへの投資を呼びかける広告やニュースを見た筈で、国際ソブリン債がスリランカ対外債務の35%も占めています

ソブリン債は国債など政府機関が発行する債券の総称で、国際金融機関や二国間から借り入れるよりも条件が緩くスピーディーに調達できる

IMFやアジア開発銀行、日本のODAなどには厳しい審査があるが、独自に債権を売って「発展するスリランカ」と宣伝すれば売れた分だけ資金調達できます

こうしてスリランカは2022年にGDP890億ドルに対し対外債務350億ドル(約4兆0250億円)、対外資産はほとんどないので債務超過になっています

2020年には既に経済運営失敗が明らかだったがスリランカ政府は立て直しを狙い当時大流行していた環境資本主義ESGを導入した

ドイツ人などが言っていた「環境に良ければ経済にも良い」という思想で、有機農業を推進したりしESGスコアは98点(日米は54点)だった

ところが世界的大企業は環境を汚して低コストで生産するのが好きなので、スリランカに工場を建てたり生産拠点にした企業は1社もなかった

新型コロナに加えてこの環境資本主義が最後の一撃になってしまい2022年に国家破産に至り、日本なども参加して再建方法を話し合っています

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