収入が減るインフレはただの不況に過ぎない
不況ならデフレに戻るでしょう

ローソンが問いかける偽インフレ
2022年に日本の物価上昇率は4%に達しほとんどの食料品は10%以上値上げされ23年も同じ程度値上げが続くとされインフレ傾向になります
だが反対にデフレの兆候もすでに表れていて、一つは欧米のインフレ率8%以上に対して4%の日本は相対的に「デフレ」でした
もう一つは物価が上昇したのに賃金が上昇していないのでこれも「デフレ」、さらに値上げを拒否する商品やサービスも登場した
ローソンの「盛りすぎシリーズ」は値上げを抑えて量を大幅に増やす事で実質値下げし、大人気になっているので他社も追従するかも知れません
もっとも評判が悪いのはお菓子や食品を量をどんどん減らしたうえに値段も上げる方法で、量を減らすと単価が上がるので体感物価は実質2倍にも感じます
飲料のペットボトルで500ml、1L、2Lと量を増やすほど単価が下がり減らすほど単価が上がりますが、量を減らほど非効率になり消費者に打撃を与えます
逆に量を増やすほど生産効率が高くなり物価上昇を抑える効果があるので、量を増やす方が理に適っています
ローソンの盛り過ぎチャレンジにはカスタードを47%増量したシュークリーム、クリーム47%増量のロールケーキ、ホットドッグ、ソーソーセージパン、チーズバーガーなどがある
これで思い出すのはかつて牛丼3社が「デフレは終った」という政府発表を真に受けて値上げしたが不振に陥り、また値下げした経緯でした
安倍首相は2012年12月にアベノミクスを掲げて再登板したが2014年に消費増税を強行し、日本を再びデフレ不況に突き落とした
この結果安倍首相を信じて値上げした企業は軒並み経営不振に陥り、再び値下げして牛丼価格は300円以下になった
牛丼は90年代に400円前後だったが2001年に280円(すき家)、2009年に350円に値上げしたが2014年に270円の最安値になった
今はインフレだがデフレの足音が聞こえる
現在すき家の牛丼並盛は400円になっているが、どこか1社が抜け駆けして大盛400円、並盛350円くらいにして成功すると他社も追従します
今回のインフレは日本の物価が上昇したのではなくロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が上昇し、エネルギーに依存している産業が連鎖的に値上げして発生しました
太陽光発電や風力発電すら化石エネルギーに依存していて、パネルの運搬や清掃や工場の電力はは化石燃料も利用して行われています
本来のインフレは日本国内の景気が良すぎて消費が旺盛で物価が上がる事ですが、日本は需要が縮小し「デフレ」なのに石油が値上がりしてインフレになっています
国際石油価格はピーク時の半額程度まで沈静化していて、今後日本国内のエネルギー調達コストも下がるとインフレが剥落していきます
すると牛丼屋などは「俺たちは何で値上げしたんだ?値下げするべきじゃないか」という事になり再び価格競争が始まる可能性があります
そうなると予想する根拠は賃金や収入が増えていないからで、人は結局収入が増えないと消費せず、消費が減れば市場原理で物価は下がります
2021年の日本の賃金上昇率は0.3%で22年は1%ですが、物価上昇率は0.5%と4%だったので2年連続で賃金は物価に負けています
22年の実質賃金は前年比0.9%減、人々の収入が減っている以上エネルギー価格が下がれば消費が減りデフレになるでしょう